今回からは、老後を暮らすうえで必要なお金について考えていきます。
老後の収入となると、やはり年金が中心になる人が多いでしょう。
年金には、民間の保険会社の個人年金もありますが、多くの場合、厚生年金や共済年金(公務員など)
に代表される公的年金で生計を立てることになります。
退職後に受け取る公的年金は、加入期間(月数)に比例して決定される「老齢基礎年金」部分と、
在職中の給料の平均額や加入期間に比例して決定される「老齢厚生年金」や「退職共済年金」部分の合計額となります。
老齢基礎年金はサラリーマンや公務員を含むすべての国民が加入しなければならない年金制度で、
自営業者などの場合には、一般的に国民年金と呼ばれています。
終活セミナーⅡ-1 年金額に合わせた生活が基本
老後の生活設計を立てる場合、実際にもらえる公的年金の額がわからないと何も始まりません。
「自分はいくら年金を受け取れるのか・・・」気になる人は多いでしょう。
国民年金や厚生年金などの受給見込額は、日本年金機構から「ねんきん定期便」として、
毎年誕生日ごろに送付されてくるので確認できます。
もし50歳以上なら、60歳まで継続して加入した場合の老齢年金の見込額が記載されています。
国民年金は基礎年金ともいい、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度です。
20歳から60歳まで40年間にわたり保険料を納付すれば満額受給できます。
支払い期間の合計が、最低でも25年間ないと原則として受給額がゼロになってしまうので注意しましょう。
老齢年金の満額は約79万円(2009年厚生労働省)。原則として65歳以降に終身で受け取りを開始できますが、
納付期間が少ないとその分受け取れる額も少なくなります。
保険料の滞納期間や免除期間がある人は、60歳以前で経済的に余裕があるならぜひ払っておきましょう。
滞納なら直近2年間、免除なら10年間は支払い可能です。
また、60歳から65歳までは任意加入の制度もありますが、滞納・免除期間の兼ね合いでメリットとなるか否かが変わるので、
まずは年金事務所で相談してみましょう。
いっぽう厚生年金は、民間の会社で働いている人が加入している制度です。
国民年金に厚生年金を上乗せして受け取ることができます。その平均額は現役時代の給与の額で異なりますが、
基礎年金を含めてひとりあたり約184万円(2009年厚生労働省)。
仕事をしていた頃に比べれば、決して十分とはいえない額です。
ですが、これからは大事な生活の資金源になるので有効に使いたいものです。
年金は、受給開始の年齢によって受取額が変わります。早めに受け取ると額が低く、遅めに受け取れば高くなります。
ただ、いつ死ぬかはわからないのが実際のところ。自分の人生設計に合わせて受給開始するのが現実的です。
それよりも、年金の額に合わせて生活できるか、定年後の生活費をシミュレーションしてみることが重要です。
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