もし、あなたが回復不能の思い病気を患ったとしたら・・・。
病名、あるいは余命の告知をすべきかどうか、家族は重い決断が迫られます。
「主人は気が小さいので、告知はしないで」という家族もいるでしょう。
ですがその場合、医師も治療に際して本当の話ができなくなるし、なにより、家族があなたに対して秘密を持つことになり、
大きな負担を背負うことになるのを理解しておきましょう。
古いデーターですが、厚生労働省価格研究費補助金「わが国の尊厳死に関する研究 平成18年度総括・分担研究報告書」
によれば、がん患者への病名告知は65.9%、余命告知は30.1%です。
90年代は本人へのがん告知率は約30%でしたから、およそ2倍に増えたことになります。
告知率は今後さらに増えていくことでしょう。
事実をそのまま受け入れることは苦しいことですが、そうすることで新しい展開が見えてくると、
アメリカの精神科医でホスピス運動を推進したキューブラー・ロスは述べています。
その著書『死ぬ瞬間』のなかで、多くの患者がたどる心の動きを「受容モデル」として次のような段階を経ていくと説明しています。
①否認:自分が死ぬということこの報せは、嘘か間違いではないかと疑う。
②怒り:なぜ、自分が死ななければならないのか、と怒りが爆発する。
③取引:なにか助かる方法はないかと、さまざまなものにすがろうとする。
④抑うつ:虚無感、無力感に襲われる。
⑤受容:自分の現状を受け入れていく。
無論、誰もがこの道筋を通るわけではありません。3~4割の人が適応障害やうつ病などを併発する場合があるといいます。
しかし、現状を受け入れ、家族や医師の支えを信じることで、その後の治療や日常生活への対処が変わっていくのも事実です。
家族も秘密を抱え込むことなく、一緒に病気に対処できるようになれば、精神的負担はぐっと軽いものになるでしょう。
あなたは告知を受けるか否か。ぜひ一度考えてみて欲しいことです。
そして自分の意思をきちんと家族に伝えておくべきです。
家族葬 奈良 ESS