末期の水とは、これは お釈迦様の入滅に由来しています。入滅とは亡くなることです。
末期を悟ったお釈迦様が死の床で水を求めて
「 口が乾いたので水を持ってきて欲しい 」と弟子に頼んだそうです。
でも、水がなくて途方にくれていると、信心の厚い鬼神が来て八種の浄水を お釈迦様に捧げたそうです。
それで お釈迦様は安らかに入滅することができたとされています。
このことから、仏式の宗派の際、
「 死者が渇きに苦しまないように 」という願いを込めて行われるようになったと言われています。
つまり、安らかに あの世に送りたいとする願いが込められているわけですね。
また、仏教では あの世に行くと食事をしたり水を飲むことができなくなると考えられています。
そこで死に際して水を取らせてから冥土に送り出すとの思いが込められています。
つまり、この世に残る人たちとの最後の別れの儀式でもあります。
これらの意味を知っておくと身近な方が亡くなった際に死への向き合い方が変わってくると思います。
この儀式を「 末期の水をとる 」とか「 死に水をとる 」といいます。
死に際や亡くなったばかりの人の口に、人生最後の水を含ませて口許を水で潤すことです。
手順は
新しい脱脂綿やガーゼを割り箸の先に固定したものや、巨大綿棒型の筆に水を含ませて、家族や兄弟姉妹など縁の深い近親者が順番に故人様の口元に、そっと触れて口を潤します。
順番は最初に喪主が行い、次に血縁の近い順とされています。
一般的には
配偶者 → 子 → 故人の両親 → 兄弟姉妹 → 子の配偶者 → 孫の順で行います。
脱脂綿などの代わりに しきみ や 菊の葉、あるいは 鳥の羽 に水をつけて末期の水をとることもあります。
かつては臨終の間際に行われていましたが、近年は息を引き取った後に行うようです。
また、納棺前にお身内が揃わず、末期の水の儀式ができなかった場合、出棺前のお別れの儀式の際に、末期の水をとっていただくこともあります。この際は祭壇に飾っている花(百合の花びらなど)を使うこともあります。
弊社の葬儀担当者は、あまり堅苦しく考えずに、「せっかくですから、故人様の生前好きだった飲み物を飲ませてあげましょう。」とご提案します。
闘病期間が長く、大好きだったお酒やコーヒーを控えられていた場合など、ご遺族の方は喜んで故人様の好きだったものをご用意されます。
そして「最後に好きなものを飲ませてあげられた!!」という満足感で喜んでいただけます。
ご参考までに・・・
家族葬 奈良 ESS