「枕経(まくらぎょう)」は、亡くなられてからまず最初に行われる仏教儀式です。
遺体を納棺する前に故人の枕元でお経をあげるので「枕経」といいます。
つまり、これは仏式での葬儀の場合にのみ行われます。
亡くなられてからなるべく早く菩提寺に連絡をして、僧侶に来ていただき枕経をあげてもらいます。
枕経の段階では、祭壇などは必要ないですし、枕飾りが出来ていれば充分です。
遺族ももちろん同席しますが、まだ喪服を着る必要はありません。そのままの平服で臨みます。
また、結婚指輪以外のアクセサリーは外します。
遺族は僧侶の後ろで静かに拝聴し、故人の冥福を祈ります。
枕飾りを設けてから納棺するまでは、家族交替でろうそくの火と線香を絶やさないようにします。これを「枕勤め」といいます。
●枕飾りとは・・・
遺体の枕元には「枕飾り」をします。白木や白布をかけた台を用意し、三具足(香炉、燭台、花立て)を置きます。
香炉には線香を1本、燭台にはろうそくをともし、火を絶やさないようにします。花立てには、しきみを1本供えます。
しきみは仏に供える花として昔から用いられてきましたが、ないときは菊、白百合、水仙などの花一輪を供えます。
しきみは大抵の場合、葬儀社が用意してくれます。その他に仏壇の鈴、湯飲み茶碗かコップに入れた水、枕飯、枕だんごなどを飾ります。
ただし、浄土真宗では鈴、水、枕飯は飾らないのが一般的です。
枕経の時が、僧侶と葬儀について相談する最初の場です。
僧侶にももちろん都合がありますので、通夜、葬儀の時間を相談しておきましょう。
葬儀に来ていただく僧侶の人数についても相談します。
その際には、葬儀社にも同席してもらうほうが良いでしょう。
なぜならば、僧侶の都合がよくても火葬場の空き状況によっては、希望の日程で葬儀を行えない場合があるからです。
葬儀担当者から僧侶に火葬場の空き状況を伝えてもらい、空いている日程に僧侶に合わせていただく形になることが多いです。
そして、戒名についても相談しておきましょう。
配偶者が先に亡くなっていたり、先代からずっとお世話になっているお寺であるなら、配偶者や先祖につけていただいた戒名と同じランクで、今回も戒名をいただくようになるでしょう。
戒名をつける際の情報として、故人の人柄などについて僧侶から聞かれることもあると思います。
また、生前に既に戒名をいただいてる場合は申し出ます。
しかし、最近では「枕経」は省略されることもよくあります。
お寺の行事や法事などと重なってしまったりして、僧侶がどうしても枕経のお勤めに来られないときもあるからです。
その場合、お通夜の時に、枕経の分も兼ねて拝まれます。
日頃お世話になっている菩提寺が無い場合や、わからない場合、また菩提寺が遠方にあって来ていただけない場合には、葬儀社に相談してお寺を紹介してもらいます。
弊社ではお寺様を紹介したからといって、仲介料なんて頂きませんのでお気軽にご相談下さい。
ESSで紹介するお寺の僧侶は、優しい方が多いですよ。
なぜなら葬儀社だって、人柄のよいお寺様との方が仕事しやすいですから、わざわざ気難しい僧侶を喪家様に紹介なんてしないのです。
この段階で葬儀社にお寺を紹介してもらう場合、亡くなってすぐに菩提寺に知らせる場合よりも、どうしても連絡が遅くなりますので、もしかするともう枕経には間に合わなくて、お通夜で初めて僧侶に会うことになるかもしれません。
そうなると、お通夜の時に戒名などの相談をすることになるでしょう。
葬儀社から紹介したお寺様とのお付き合いは、喪家様にお任せしています。
葬儀だけの依頼になる場合もありますし、その後の法要や月参りなども依頼される場合もあり様々です。
ご参考までに・・・
家族葬 奈良 ESS