具足とは武士の武具や甲冑の意味もありますが、私たち葬儀社がいう『具足』とは仏具一式という意味で使っています。
辞書で『具足』を引くと
①充分備わっていること
②所有すること、連れていくこと
③道具・調度、武具・甲冑 と載っています。
お恥ずかしながら、私は葬儀業界に入るまでは仏具のことを『具足』と呼ぶことを知りませんでした。
『具足=甲冑』というイメージしかなかったのです。
余談ですが、女性の方なら『具足煮』という料理方法をご存知かもしれませんね。
海老などの甲殻類を殻付きのまま調理するもので、殻を鎧に見立てたものだそうです。
仏事で指す具足とは、法要などで仏前を飾る(荘厳する:しょうごんする)道具のことで、
線香立て(香炉)、花立て、ロウソク立て(燭台)の3つは「三具足」といいます。
「三具足」において燭台・花立てを一対ずつにしたものを「五具足」といいます。
また、「五具足」に茶湯器・仏飯器を加えたものを「七具足」
「五具足」に茶湯器1つと仏飯器1対高杯1対を加えたものを「十具足」といいます。
具足の飾り方は、宗派によって異なる場合がありますが、普段のお供えは「三具足」を用いて、入仏法要・開眼法要や年回法要など特別な仏事の際は「五具足」を用いるケースもあります。
また浄土真宗では「鶴亀の荘厳」と呼び、亀の上に鶴が乗った燭台を用いるという特徴もあります。
五具足は
・中央に「香炉」
・香炉の両外側に「燭台」
・燭台の両外側に「花立て」を配します。
三具足の場合は向かって左から「花立て」「香炉」「燭台」と配することが多く見られます。
伝統的には「香炉・燭台1対・花立1対」が五具足とされてきましたが、近年、仏壇店で「香炉・燭台・花立・仏飯器・茶湯器」の5つをセットにして五具足と呼び販売しているケースもあります。
これらはお仏壇の大きさ、宗派や菩提寺の考え方によって決まり事があり、同じ宗派でも地域の風習によっては若干異なる場合があります。菩提寺や仏壇店などで説明を受けられることがよろしいでしょう。
ご参考までに・・・
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