無宗教葬を選ぶ前に、今後の葬送方法について遺族・親族間でよく相談しておくことが大切です。
●遺族・親戚間でトラブルにならないように事前に打合せをしておく。
「 無宗教葬 」という言葉が広まったとはいえ、実際に無宗教で葬儀をする割合は全体の1%くらいにすぎません。
そのため故人や遺族が「変わり者」として見られてしまうこともあるでしょう。
中には「無宗教では成仏できない!」と大反対する親戚がいるかもしれません。
●無宗教葬に慣れている葬儀社を選ぶ。
ほとんどの葬儀社は「無宗教葬でもOK」と自信満々で引き受けてくれます。
しかし、無宗教葬はマニュアルがないために葬儀社によって企画力、演出力、実行力がかなり違ってきます。
どのような提案をしてくれるか、数件の葬儀社と比較検討することをおすすめします。
●納骨場所を考えておく。
無宗教葬の場合、宗旨・宗派の指定がない公営墓地や民営墓地を選ぶことになります。
もし菩提寺にある墓に納骨する予定があるのなら、菩提寺に葬儀を執り行ってもらうほうが賢明です。
●四十九日法要にかわる追悼式はどうするか。
葬儀は無宗教葬で滞りなく執り行ったけれども、後のお祀りをどうするのか相談を受けることがあります。
仏式には故人を上手に思い出すことができる四十九日法要、一周忌法要などがあります。
それに変わる追悼式をどのような形で行うか考えておく必要があります。
無宗教葬にするために考慮すること
故人が生前に無宗教の葬儀を望んだ場合などは、それを叶えてあげたいというのが人情ですし、葬儀もそれに従うのがよいと思われます。
しかし、少なくとも次の2つのことには注意しておく必要があります。この調整をしないと結局、仏式の葬儀ということになってしまうかもしれません。
●菩提寺がある場合の調整
※お寺に納骨する場合は、勝手に無宗教葬にしないこと
本来、お寺と檀家との関係は葬儀や法要だけに限らず、日常生活に大きな接点があるものでした。
しかし、最近は葬儀だけのお付き合いの場合も多く、しかもお経をあげて「はい、さようなら」の寺檀関係も少なくありません。そういったお寺との関係が弱くなったのに加え、葬儀の個性化が進み、「意味がよくわからないお経を長々とあげてもらうより、故人らしいお別れがしたい」したいという人が増えたことで、無宗教葬が注目されるようになりました。
しかし、菩提寺があり、先祖代々のお墓がお寺にある方は、菩提寺と檀家との間の守らなければいけないルールがあります。
檀家なのに、葬儀は菩提寺に知らせることもなく勝手にすませ、戒名もいらない。
でも遺骨だけはお墓に入れてください……というのでは、納骨を拒否される場合があります。
菩提寺である寺院墓地は檀家制度によって寺院を維持している宗教集団なので、檀家になることが条件で納骨できるというわけです。
つまり、菩提寺から戒名をもらわないと納骨させてもらえないということです。
菩提寺があってなおかつ無宗教で葬儀をしたいという場合には、事前に菩提寺とよく話し合われることが大事です。
納骨場所が菩提寺ではなくて、公営墓地や宗教不問の民間墓地であれば何の問題もおきません。
●家族・親族の同意
無宗教葬をスムーズに行うために、家族や親族筋の同意を事前に取り付けておくことも大事です。
そうしないと、現状では無宗教葬は広く一般に行われているものではないので、反発や感情的なしこりを残さないとも限りません。
特に、菩提寺があるような場合、「うちでは代々あの菩提寺に来てもらって葬儀をしている。このような葬儀は認めない」という親戚がでてこないとも限りません。
いずれにしても、菩提寺だけでなく、家族・親族で事前によく相談しておく必要があります。
現状において、あまり多くないこと(無宗教葬)をやろうとすれば、それなりに労力が必要になると思ったほうがいいでしょう。
上記の2つをクリアしたとしても、無宗教葬には決まった形式がないために、式の構成・進行もよく考えておいたほうがいいからです。
ご参考までに・・・
家族葬 奈良 ESS