「任意後見契約」を結ぶには、まず自分自身がどのような老後を送りたいかを考えておく必要があります。
それを踏まえて、財産の使い方、相続、介護の受け方(介護施設に入所するのと自宅で老いを迎えるのとでは費用も手順も違う)を決めなければいけません。
次に重要なのは、任意後見人になってもらう人にその内容をよく理解してもらった上で受任してもらうことです。
外部の第三者(任意後見監督人)からのチェックを受けるなど、任意後見の仕事は、「財産管理等の委任契約」とも違うので、ある程度勉強してもらう必要があります。
準備が整ったら、あとはどのような契約にするかという問題があります。
財産管理等の委任契約と組み合わせるか、いつスタートさせるかによって三つのタイプがあります。
◆将来型→任意後見契約書だけを単体で作る方法
将来、委任者の判断能力が低下した時点で、家庭裁判所に申し立てて発効する契約です。
裁判所が任意後見人を選任するまで数ヶ月かかることがあり、その間は任意後見人のサポートを
受けられない点に注意が必要です。
◆移行型→財産管理等の委任契約と任意後見契約を一緒に結ぶ方法
判断力が健全な間は財産管理等の委任契約を用い、そうでなくなってきた時点で、申し立てにより、任意後見契約をスタートさせる。
将来型で問題となるサポートを受けられない期間が少なくなる。
◆即効型→すでに判断能力に問題のある人が、一時的に回復したと思われるとき(判断力があると認められる
とき)に任意後見契約を結び、発効させる方法
だが、その判断能力の有無の判別が難しいため、トラブルになる可能性もある。
任意後見契約書は、公正証書で契約者の意志を明確にしたうえで、作成後は公証人を通じて法務局に登記されることになります。
費用はおよそ17,000円程度で(用紙の枚数による)、その安全性を考えれば納得のいくものでしょう。病気などで公証役場へ出向けないときは、
公証人に出張も頼めますが、その場合は別途費用がかかります。
任意後見契約書の作成までの手順
①公証役場で任意後見契約書の見本を手に入れる
②任意後見の受任者と打合せ
受任者(引き受けてくれる人)に任意後見の仕事についてしっかり理解してもらうこと
③必要な書類を揃える
委任者(本人)は、印鑑証明書、戸籍謄本、住民票、実印を用意。もし、判断力に疑いがある場合は、
診断書が必要になることも。受任者は、印鑑証明書、住民票、実印が必要になる。
④公証人に必要書類を提出する
⑤公証人に文案を作ってもらい、チェックする
公証人が文案を作成したら、誤りはないか、追加や削除すべき箇所がないかを確認。
⑥受任者と一緒に公証役場へ行く
ここで最終的な契約書が作られる。
その後、公証役場から法務局への登記が行われて終了。
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