ふと頭をよぎる、「もし自分が寝たきりになったら・・・・」。
内閣府の「介護保険制度に関する世論調査(2010年)」によると、
一番不安なのは「家族に肉体的・精神的負担をかけること」という調査結果があります。
寝たきりになったとき、多くの人が在宅での介護を希望するでしょうが、いっぽうで極力家族に負担をかけたくないという気持ちの表われでしょう。
また、寝たきりになったときになにを準備しておくかという問いに対しては
「貯蓄など経済面での備え」が最も多く、「介護サービスについての情報収集」と続いています。
ここでいう介護サービスとは、介護保険制度に基づいて行われる要介護認定によって受けられるサポートのことです。
在宅サービス、施設でのサービスのほか、福祉用具の貸与や購入補助制度などがあります。市区町村による要介護認定を受けて、
その程度により受けられるサービスが決定される仕組みになっています。
介護サービスは市区町村が主体となって行いますが、民間業者も多数参入しています。また、ボランティア団体による活動も活発で、
全国に1200以上の団体があります。それらを取りまとめているのが社会福祉協議会です。各市区町村にあるので、まず問い合せてみることです。
介護度が初期の段階なら、在宅で介護サービスを利用し、家で過ごすこともできますが、介護度が進んでくると、
家族の肉体的・精神的負担はとても重いものになります。
専門の施設において適切な世話をしてもらうほうが、介護者も要介護者も快適に過ごせるということもあるので、自宅介護に
あまり固執するのも考えものです。できることなら、介護施設や老人ホームへの入所も選択肢に入れておくべきでしょう。
老人ホームは、そのタイプによって費用や入居条件もさまざまです。まずは情報収集からはじめましょう。
その後、家族で話し合って目星がついたら、実際に施設を見学するといいでしょう。その際は、必ず入居する本人が行くことです。
一部には体験入所などのお試しをさせてくれるところもあるので、利用してみてもいいでしょう。
元気なときに、万一の寝たきりに備え情報収集をすることも終活のひとつです。
厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、寝たきりになる原因は、脳卒中が27.4%とトップで、認知症が18.7%、高齢による衰弱が12.5%と続きます。
高齢者は体力の低下によって体調を崩しやすいです。入院などをした際にはリハビリが必要になる場合が多いですが、
医療保険で受けられるリハビリは期限が限られます。そういう時には介護保険の利用を考え、まず主治医に相談しましょう。
リハビリは主治医の指導の下に行わなければならないからです。
介護保険でのリハビリサービスは、介護老人保険施設などに通って行う通所リハビリと自宅で行う訪問リハビリの二種類があります。
通所リハビリは、送迎バスで施設に行き、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの指導の下、心身の機能の回復など日常生活での
自立を目指すプログラムに沿ってリハビリを行います。内容は体操、専用の機械を使った機能回復訓練、レクリエーションなどです。
いっぽう訪問リハビリは体力的な理由などで通所できない人に対して、自宅でリハビリを行うサービスです。
通所リハビリと同様の専門家が訪問してくれ、自宅で生活するのに即した訓練を一対一で受けることができます。
きめ細かなサービスを受けられる反面、通所リハビリの場合と異なり専用機が使えない、食事や入浴などのリハビリ以外のサービスは
受けられない、他の利用者と交流できないなどの制約があります。
いずれも費用は介護保険による1割負担で利用できます。まずはケアマネージャーに相談してみましょう。
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