「私が死んだあとは適当に処分してくれればいい」「あとのことは、遺言書に書いてあるから」という人がいます。
ただ、実際には人が亡くなってからの事務処理は、遺族にとって大変な手間がかかることを知っておいてほしいものです。
遺言書に書いてあるとはいえ、ふつう遺言書は法事が終わりひと段落ついてから開くという人が多く、
内容によっては遺言を果たせない場合もあります。さらに死後事務の方法などをめぐって、親族間のトラブルも多いのが現実です。
死後に必要となる事務処理は、ざっと並べただけでも以下の通りあります。
□親族、関係者、友人などへの通知
□葬儀、埋葬、納骨、永代供養についての事務処理
□医療費、施設利用料、ほかの債務弁済事務
□生活用品、家財道具の整理や処分
□行政官庁への諸届け
□賃貸物件の退去明け渡し、敷金などの精算
□これらの事務処理に伴う費用の支払い
これらを短時間に処理するのは、残された者には相当の負担になります。
元気なうちに死後の処理の仕方を第三者に依頼しておくのもよい方法のひとつです。
「死後事務委任契約」は私法上の契約なので、当事者間で決めることができます。
以前に紹介した「財産管理等の委任契約書」に、特記事項として附加することも可能です。
そうしておけば、生前から事情をよく知っている人に、死後の面倒も任せることができます。
依頼を受けた受任者は、委任契約に基づいて事務処理を行い、必要経費や報酬は残された財産から支払うように契約してもらえばよいのです。
受任者へのちょっとした心配りをするのなら、死亡通知を誰に出すかのリストを作っておくとよいでしょう。
パソコンで管理している場合はときどきプリントアウトしておけば、受任者はスムースに対応できるはずです。
家族葬 奈良 ESS