弊社への問い合わせで一番多いのは、葬儀費用がいくらかかるかという内容のものです。
(財)日本消費者協会のアンケート調査によると、葬儀費用の全国平均は2010年で200万円弱です。
2007年では231万円だったことを考えれば、最近の葬儀費用は減少傾向にあります。
長引く景気低迷の影響もあるでしょうが、理由はそれだけではありません。
昨今、地縁はもとより血縁も希薄になっているため、親族一同が集まったり、
また隣近所で助け合ったりして葬式を出すという、これまでの日本の葬儀スタイルが失われつつあります。
『家族葬』という言葉がすっかり定着し、最近では身内や近親者だけで執り行う小規模な葬儀が増えてきています。
そこには、地縁が薄くなったゆえの葬儀の縮小のほかに、自分らしい個性的な葬儀にしたい、
煩わしくない葬儀にしたいという思いもあったりするようです。
たしかに、歳を重ねるごとに増える葬式に,遠方から出向くのは経済的にも体力的にも負担であり
、自分の葬式には、そこまでまわりに迷惑をかけたくないという気持ちも分かります。
そんな現代では、自分はどんな葬儀にしたいのか考えておく必要があります。
最近の葬儀スタイルは多様化しているので、費用の面と合わせて自分の葬儀スタイルを考えておきましょう。
ただ、費用が安いからと簡便な方法を安易に選ぶのはよくありません。
心のこもった葬儀にしたいと、遺族なら誰もが願うものです。
自分の意思も大事ですが、遺族の心情も大切です。
一番、故人を偲びたいと思っているのは遺族なのですから・・・。
最近の葬儀スタイルで多いのは以下のとおりです。
◆家族葬
参列者は家族と一部の近親者のみ。家族葬の範囲は広く、友人・知人までは連絡する場合もあるので、
のちのちのトラブルを防ぐためにも参列者はどこまでの範囲にするのかしっかり決めておく必要があります。
◆ワンデーセレモニー(一日葬)
近年、お葬式は急速にシンプル化・簡素化が進んでいます。
そんな中登場した新しい葬儀の形態が「一日葬(いちにちそう)」。
通常、お葬式は通夜から葬儀・告別式まで2日間以上かけて行われますが、
これを1日で済ませてしまおうという葬儀スタイルで、首都圏で始まった新しい葬儀形態です。
一日葬といっても亡くなってから1日で葬儀を終えるということではなく、セレモニーを1日で行うという意味なのでご注意を。
一日葬は近年葬儀社によって提案された新しいスタイルですから厳密な決まりごとはありませんが、
だいたい通夜を省いて行うパターンが多いよう。
その場合、葬儀・告別式は参列者を招いた通常スタイルと同様に行われます。
現代のお葬式では通夜への参列が大多数を占めますので、参列者側の事情を配慮して
通夜をメインとした一日葬を提案している葬儀社もあります。
◆直葬
ご遺体を火葬するには死後24時間が経過してからでないといけないので、
それまではご遺体を安置し、時間がきたら火葬場で最後のお別れをするスタイルです。
宗教者は介在しないのが一般的ですが、火葬のみであっても『火葬式』と呼び、
お寺様に来て頂いて、お経をあげていただく場合もあります。
自分らしく人生を締めくくるために、葬儀の仕方は、家族としっかり相談しておきましょう。
家族葬 奈良 ESS