神様の御霊(みたま)を『ひ』と呼びます。
人は生まれてこの世に生を受ける時、「体」に「ひ」が入ってくると言われています。
「ひ」が「くる」ことで「ひ・くる」。
これが訛って「いきる」という言葉が生まれました。
また、熱い「火」も御霊の「ひ」とつながるところがあり、このことから人は「ひ」が入る(生きる)と体が熱くなると言われています。
人はこの世にお別れを告げるとき、「ふー」っと1度息を吐くそうです。
この時、体の中の「ひ」が居なくなるそうです。
「ひ」が「いぬる」ことで「ひ・いぬ」。これが訛って「しぬ」という言葉が生まれました。
体の中の「ひ」(「火」)が抜けるわけですから、体も冷たくなるのです。
この「ひ」は霊代(みたましろ)に宿ります。
そして共に生きた家族たちを見守る為に祖霊神として祖先の御霊と共に祖霊舎(それいしゃ)の中に存在し続けます。
私たちは祖霊舎の中の霊代(霊璽=れいじ)を通してご先祖を想います。
ご先祖様も温かい心で私たちを見守ってくれます。
このお互いの真心がつり合うことを「ま・つりあう」。これが訛って「まつり」と言います。
神道の「○○祭」とはこの言葉から来ています。
神道では、故人の御霊を「霊璽(れいじ)」にお遷しいたしますが、仏式では、戒名(仏の弟子になった証)を頂く事になります。
神道の場合には、生前の氏名(俗名)は神様、親から授かったものと考えますから、その人が生きてきた氏名そのものが大切なのです。したがつて霊璽に記入される御霊の名前は生前の氏名となります。
◆神道の霊号について
神道の霊代(霊璽)に書かれる霊号(れいごう)とは仏教の戒名、法名にあたり、神様の世界での名前です。
通常、生前の姓名に「命(みこと)」という文字を添えたおくり名を使用します。
神社によって、または亡くなった方の年齢により多少の違いもありますが、
男性の場合は「○○○○大人之命(うしのみこと)」
女性の場合は「○○○○刀自之命(とじのみこと)」が一般的です。
年齢や性別による霊号には
児童には男子が童子、女子が童女、
青年では男子に比古(彦・ひこ)・郎子(いらつこ)、
女子には比賣(姫・ひめ)・郎女(いらつめ)、
壮年の場合、男性が大人(うし)、女性が刀自(とじ)、
また老年では、男性が老叟(ろうそう)・翁(おきな)、
女性が大刀自(おおとじ)・媼(おうな)などがあります。
霊代(霊璽)の裏側には亡くなられた方の『生誕日』『帰幽(きゆう)日(=亡くなられた日)』『享年』を書きこみます。
◆霊代(みたましろ)・霊璽(れいじ)とは
霊代(みたましろ)・霊璽(れいじ)とは、祖霊の依り代(よりしろ)で、仏教(仏事)で言う位牌にあたるものです。
鞘(さや)(霊代の外側の木で出来たカバー・蓋のようなもの)の内側の板に「○○命」などの霊号(れいごう)という名を書き、元通り鞘をかぶせた状態でお祀りします。
一人一人お祀りする「一体型」、10名分まで1つにまとめる事の出来る「クリダシ型」の2種類があります。
あくまでも一体づつお祀りするのが作法ですが、スペースに余裕がない場合などは古いものから1つにまとめます。
ご参考までに・・・
家族葬 奈良 ESS