「骨上げ」とは、火葬が終わって鉄板に乗ってきた遺骨を骨壺に入れることで、
「拾骨・収骨(しゅうこつ)」ともいいます。
先日、お骨上げの際、「どうしてお箸が不揃いなんですか?」と聞かれました。
質問者はまだ若い女性で、お箸が不揃いなことに疑問を持たれたそうです。
お骨上げの作法については諸説ありますが、この時は『あの世への橋渡し=箸渡し』のお話しをさせていただきました。
本来は二人一組になって行うのですが、関西では片方ずつ違う箸を使うことで、一人で箸渡しをしていると見なす火葬場があるのですよと・・・。
収骨は、桃や桑などの木と竹の箸をそれぞれ1本ずつで1対にし、二人一組になって一片の骨を挟んではし渡ししてから骨壺に入れます。
これは、故人をこの世からあの世に橋渡しするという意味で、正式には男女で一組になり、男性は左から、女性は右から拾って骨壺に入れます。
骨を1、2片拾ったら、次の二人に箸を渡します。
または一人が箸で持った遺骨を次の人に渡していく形、いわゆる『箸渡し』で行う方法もあります。
『箸渡し』は『箸』を『橋』にかけて、故人をこの世からあの世へと三途の川を渡らせてあげるというところからきています。
ご遺骨は、喪主を筆頭に、血のつながりの深い順に全員が拾います。
まず、順に、足、腕、腰、背、肋骨、頭蓋と足から上体に向かって拾っていき、故人の体が壺の中でたった姿になるようにします。
最後にのど仏を拾いますが、これは故人と最もつながりの深い人が行います。
関西では関東に比べて骨壺が小さく、胴骨と呼ばれる5寸の骨壷に身体のお骨を、本骨と呼ばれる2.5寸の骨壷にのど仏(第二頚椎)を拾って納める方法が一般的です。
第二頚椎は仏様が座って手を前で合わせているように見えることから「のど仏」と呼ばれています。
二人でするようになったのは故人の霊が一人の人にとりつくのを恐るということと、故人の死を共に悲しむためだと言われています。
二人でお骨上げをする火葬場でも、二人でお骨を骨壷に入れるのは皆さんが1回ずつで、全員一通り回れば、後は銘々でお骨を拾って頂いてます。
子供の頃、食事の時にお箸とお箸で同じものを兄弟でつかんで親に叱られた記憶はありませんか?
あれは、収骨の際に二人で箸を使って骨を拾うことから、食事の席では縁起が悪い行いとされているからです。
お骨上げの方法は、火葬場によって違いがありますので、その都度、葬儀担当者がご案内をしています。
説明に従ってお骨上げをして頂ければ問題ありませんので、ご安心ください。
ご参考までに・・・
家族葬 奈良 ESS