『通夜』にはかつて、神霊が深夜に来臨するのを迎えるという神仏への祈祷と、遺体を鳥獣から守り、死者に悪霊がとり憑くのを防ぐという意味がありました。
今日では、他人を交えず近親者だけで故人と飲食を共にしつつ一夜を過ごします。
本来は、死者を葬る前に近親者や友人など身近な人たちが集って、故人を偲び冥福を祈って、最後の別れの夜を共に過ごすというものです。
また『通夜』は文字通り、徹夜で行う習わしがありました。
しかし、今では夜通し柩を守るのは少数の近親者に限られ、一般の弔問客は午後6時や7時頃から読経と焼香を行い、数時間で早めに切り上げる『半通夜』が普通になりました。
これは、あるお通夜の際のお寺様の法話です。
『通夜は、夜伽(よとぎ)とも言います。その人に対していい結果を引き出すことを伽(とぎ)と言います。お釈迦様の伽と同じ意味です。おとぎ話は悪いことをやめていいことを引っ張り出すことです。だから、死者の良いところを「引き出し」「作り出す」ということです。夜伽は、終夜祈願とも言います。終夜祈願とは、菩提心を得て極楽往生していただける、その為に遺族が集まって祈願することです。ですから今晩は、故人様との良き思い出を沢山話してください。』
良いお話をいただきありがとうございます。
近年では一日葬という葬儀スタイルまで登場し、お通夜が省略されるケースがあります。
もう一度、お葬式本来の意味を考え直すと、お通夜は省けなくなるのではないでしょうか?
もしご事情があって、直葬や一日葬を選択されたとしても、お見送りの前夜は近親者の皆様で故人様を偲んでいただきたいものです・・・
ご参考までに・・・
家族葬 奈良 ESS